ふくおかフィナンシャルグループのDX



銀行業務の変遷

銀行業務のオンライン化

東京オリンピック後に、銀行のオペレーションはオフラインからオンライン化されました。それ以前はパンチカード主体のオフラインシステムでした。それを事務センターに集中するなどパンチカードの移動を伴うシステムでした。まず普通預金でそれをオンラインでつないだ第1次オンラインシステムが登場します。それから、「普通預金」「為替」など業務ごとにオンライン化されていきました。
1970年代から「顧客情報の一元管理」を目指し、単独業務から総合へ舵を切った第2次オンラインシステムが登場します。ATM(Automatic Teller Machine)が導入され、店舗間をつなぐ金融期間相互ネットワークや全銀システム(全国銀行データ通信システム)が誕生しました。それ以降、システムを改良・保守して第3次オンラインシステムへと繋がってきました。

金融機関以外の店舗拡大とインターネット

1990年代に生まれたコンビニATMや2000年のインターネットの拡大と共に登場したネット専業銀行と、銀行サービスは銀行内から外へ繋がりを拡大しました。

図 銀行の変化


銀行におけるDX

ふくおかフィナンシャルグループで、どのようにDX(Digital Transformation)が起こっているのか?お話を伺うと、以下が重要な点として浮かび上がってきました。

1. 直近のDXはオペレーション部門で実行・加速する(現状業務のDX)
2. 未来のDXは人間中心デザインで外部企業と連携・加速する(未来価値創造のDX)

現状業務のDX

現状のオペレーションをさらに、集中化、効率化するために、RPA, OCR等を活用したプロセスの自動化とデータを活用した意思決定支援を実施しています。これらの技術活用に目が奪われがちですが、もっとも重要なのは「DXのオーナーシップ」であると感じました。2016年ごろから戦略部門で技術を活用したPOCが行われたということです。店舗でRPAを試してみて、数時間の時間削減が可能であるとわかりました。しかしながら、戦略部門ではここまで、実際に実行部門である事務部門が自らDXを始めたことが成功への鍵です。オペレーション部門の本気がDXのエンジンです。事務部門は、集中センターを立ち上げ、数時間の削減から、10倍の成果を実現しつつあります。まるでふくおかフィナンシャルグループさんのビルの屋上のヘリ発着場(以下の写真)から見える景色のようにDXの未来が開きつつあると感じました。2つ目についてはこちらで紹介します。