Nokia とそのスピンオフから形成されるエコシステム


Nokia

2018/2/19-25にフィンランドのOuluとエストニアに行って来ました。今回は、OuluのNokia訪問を中心に書きます。2010 年以降、事業再編を通して Nokia は通信インフラ事業、先進的ネットワークに関する研究開発ベンダーとして生まれ変わっています。Vision は、“We create the technology to connect the world.” 現在技術領域は、5G、IoT、VR/AR に焦点をあて、工場の Digitalization を進めています。また、Oulu Garage (Innovation Place)等のオープンイノベーション活動を進行中。
Finland には、R&D 約 3500 人、トータルで約 6100 人 (その内、本社のある Espoo 約 3000 人、製造工場のある Oulu 約 2350 人、Tampere 約 750 人) 、技術者が半数以上を占めます。Oulu の製造基点はNew Product Introduction (NPI)をミッションとしており、工場ではプロトタイプを行い、その他の Volume Factory へ技術移管をします。

History


1865 製紙会社としてスタート
1970 年代 事業の中心を通信分野に変更
1980 年代 携帯電話に進出
1990 年代 経営危機に陥り、事業を携帯電話、そのインフラ、電気通信分野に 絞る
2002 Smart phone Symbian 業界リーダー
2007 iPhone 登場 smart phone の定義を変えた
2011 Symbian から Windows Phone への移行を発表
2011 Motorola の無線インフラ部門を買収 (Motorola mobility は Google が 買収)
2014 デバイス部門を MS に売却(2016 MS はノキア OB によるスタートアッ プ HMD Global に売却)
2015 HERE(地図情報事業)を売却

2016 アルカテル・ルーセント(ベル研)を買収

Haltian

Nokia の携帯部門の合理化に伴って、エンジニアが 2012 年に設立したHaltian社を訪問しました。事業は、個別のカスタマイズ製品の開発・サービスと ThingSee という IoT Platform 製品の開発・販売の2つです。Omata Speed Mater (アナログ部分はセイコーが協力)、Oura Sleep tracker and Smart ringなどの開発をしています。 
ThingSeeのアーキテクチャは、以下


このアーキテクチャにたどり着くまで4年間に3つのプロトタイプを作りました。 1つ目は、すべての機能を含むセンサーを開発したが、大きく高かったためストップ。2つ目は、デバイスマネジメントレイヤーを開発し、クラウド化。そして現在のものが3代目。現在のところ、直接の競争相手はいないそう。Lindströmには、10万個程度のセンサーを使ったお手洗いのタオルのシステムを導入したという。

ビジネスモデル

以下の3通りがある。
1. デバイスの売り上げとメンテナンス
2. Sensors as a Service としてマンスリーフィー 
3. クラウド側のソリューション開発
1から始まり、3に行く場合や2のみの場合などがある。1と2の割合は、現 在のところ半々。
Haltian の強みは、
1. scalable
2. easy to install & maintenance
3. cost effective architecture
これらは、OS を共通化し、デバイス、GW を統合可能な技術力によってもたらされています。

Nokiaとエコシステム

Nokia が再三の経済危機から通信インフラに特化した一方、その周りに Haltian のような新しいビジネスを始めるスタートアップが誕生しエコシステ ムが形成されています。 



今回はここまで。次回以降エストニアについて紹介します。