ユーザーの視点からICTをサービス・システムに埋め込む

6月30日にスウェーデン大使館で行われた「日本の産学連携と技術革新への影響」に参加した時 ストックホルム スクール オブ エコノミクス大学のPer Anderssonさんにお会いした。サービス研究をされていると伺い、今日改めてお会いし研究についてお話を伺った。

ストックホルムの大学では、Marketing & Strategy部門でサービス・マネージメントの研究をされているということだ。最近終了したProjectでは、建設現場のプロセスのモデリング、問題の整理、ICTによる新プロセスの設計、設計手法などの研究をし、結果をハンドブックにまとめている最中ということだ。その他、世の中にあるOpen Innovationを集めてFrameworkに整理したり、ヒッペルのユーザー・イノベーションをサービスでの価値創造に応用したり、サービスとICTを中心に様々な研究をされているという。彼らはDemand oriented projectsとして以下のProjectを行っている。

  • Open Innovation Frameworks
  • Airport Living Lab
  • Service Innovation and Dynamic Business Models
  • Organisations Implement and Use Mobile Solutions Studies of the Enterprise Market for Wireless Services and Applications
  • Adoption And Usage Of New Technology For Procurement
  • Wireless Woodstock Services
  • Mobile City Moments Project


お話を伺った建築現場のプロセスのモデリングでの研究者の役割は、現場の人々の個々の問題を聞きながらそれをプロセスモデルとしてまとめていくこと。またICTの技術者がその議論に参加すると、製品・技術ありきの話になりがちで、本来の問題の本質までなかなか落とし込めないらしい。コンサルタントとの違いも基礎とするManagement等の知識によるらしい。次はeLearningの研究Projectを計画中という。

今後ハンドブックができたら読んでみたいと思う。今後サービス科学の担い手は大学のみならず、サービスの現場にも出現していくと思う。今はその過渡期であり、複雑なシステムのモデリング、設計法など多様なサービス・システムに関わる人々が使える共通言語が求められている。